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zoom RSS 英ARM買収「悲しい」=創業者、経営主導権喪失嘆く

<<   作成日時 : 2016/07/19 10:41   >>

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ARMの創業者には確かに、痛い話だろう。何せ、販売ユニット数(個数)がたった1年で30億ユニットも増えるような、プロセッサアーキテクチャをライセンスする、英国を代表する企業が、日本に飲まれたのだから・・・。
業績が悪くて救済されたSHARPとは違い、業績が伸びている時の買収ほど、創業者にとって悲しいことはない。

また、既に150億ユニットもの市場を獲得しているARMに成長の余地があるのかというと・・・それも不透明であるのは事実だ。自社で製造販売せず設計ライセンスだけに固執するメーカーにとって、今後成長するには、何らかのキーが必要になるのは間違いないからだ。

果たしてそれが、ソフトバンクによって花開くのか?それとも、枯れてしまうのか・・・分からない。少なくとも、今までのARMの経営方法ではなくなることは、既に既定の事実だろう。ソフトバンクが、これまで買収した事業の大半は、元のスタイルを残しておらず、いわゆる孫正義という人物の配下で息の掛かった者が、経営手腕を発揮するスタイルを貫いている。だから、余計に創業者は心配しているのかも知れない。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016071900108&g=eco


<ARMが同意した理由はなぜか?>

英ARMは、ARMプロセッサだけの開発をしているわけではない。実際には、Maliなどのマルチメディアプロセッサ(いわゆるGPU)や、 SC solutionも持っている。ちなみに、MaliはImagination TechnologiesのIPであるPower VRを利用している。

Cortexというプロセッサブランドは、提携ファウンドリと共同で開発研究しているわけで、ただ線を引いて(設計図を書いて)いるわけではない。消費者(商業)向けの商品化はしないが、使いたいメーカーに利用ライセンスを提供し、それで得た利益から一定のお金をさらにもらうというビジネスで製造研究の中で生じた問題や周辺ユニットの組み込みなどの共同研究を他社ともしていることは知られている。

そのため、ソフトバンクがARMを買って全く、ソフトバンクに価値が見いだせない訳では無い。
ソフトバンクが望む、プロセッサ研究もすぐに出来るだろう。ただし、結果が伴うのは最短でも2年以上後だろうが・・・。

ただし、それには別の障壁がある。
それは、今ARMが持っている開発者を、ソフトバンクの研究に移す必要が生じるということだ。
簡単に言えば、ブランドラインの一部から必ず人を集めて、そちらに注力させることになる。
ARMにとっては、これからも現状のARMライセンスが成長すると仮定すれば、利益をみすみす捨てる恐れもある。

では、なぜARMはソフトバンクの買収に合意したのか?

理由はARMの市場拡大がそろそろ頭打ちになると見ているからだろう。どう考えても、既にハイエンドの製品は、落ち込みはじめている。中小の製品が数を捌いてくれるため、ARM搭載のデバイスは年間150億ユニット(2015年換算)を超えて売れる。しかも、年々から20〜30億ユニットも増やした。しかしそれが、ずっと続くのかというと、厳しい。

ハイエンドが売れなければ、いくらローエンドが沢山売れても、ロイヤリティー収入は下がるからだ。ライセンス料が1個1円の廉価品と、100円の高級品なら廉価品で高級品1個の売上げにするには100個売らないといけないからだ。
即ち、ユニット数が増えること=利益が増えるわけではなく、むしろ数が少なくても高級品が売れた方が嬉しいのがメーカーなのだ。

そこの限界に近づいているのが今のARMである。これは、IntelのAtomが抱えた問題とよく似ている。廉価品で満足できる性能なら・・・。

そこで、シンギュラリティのソフトバンクによって、今の経営を可能な限り維持したまま、別の何かを産みだそうとしていると思われる。要は、今の流れはどのみち長くは続かないから、別の企業と模索するということだ。よくある手法だ。


では、成否はいつやってくるのだろうか?

もし、最初から何か新しいIPを開発するなら、最短でも買収後2年〜3年掛かると思われる。遅くても4年〜5年となり2020年〜22年頃には、それが価値ある投資かどうかがはっきりするだろう。ただ、業績的に著しく悪化することは、世界経済によほどの下落圧力(簡単に言えば、世界的に大きな銀行の倒産など)がない限り、ないだろう。
x86が市場に戻る可能性も低い。況してや、オリジナルのロジックLSIなど日本の電機メーカーが既に、自社開発から離れはじめている現状では、生まれる余地がほぼない。

だから、極端に悪くなることはない。ただ、投資としての価値(売上げ高や純利益)が伸びていくかは・・・微妙なところというわけだ。即ち、将来的なリスクは少ないが、成長の余地も少ない企業を買い、それを化けさせる手腕があるかどうかが、これから問われるのである。

今回は孫正義氏としては比較的、リスクの少ない穏やかな投資先と言える。大きく化けて短期でペイするかどうかは別として、長い目で見ると、販管費や研究費の抑制だけで純利益を調整できるからだ。これは、携帯電話の月額使用料と同じ発想である。解約がなければ必ずお金は入ってくるのだ。

それを見越して選び、可能ならプラスで化けさせたいと孫氏は思っているのだろう。
彼なのか彼の周りの人なのか知らないが、この発想は面白い。




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内 容 ニックネーム/日時
私はARM/ソフトバンク双方にとってwinwinだと思います。

ARMはCPU設計などハード回りの開発はできても既存ARMエコシステムの範疇から外れる分野の開発には非常に消極的(例えばGPGPUなどの枠組み作りなど)

ソフトバンクの立場だと携帯電話事業やらロボット/ペッパー(AI)を末端でやるには限度があるので、それらを作るうえで避けられないARMを買収という流れかと。

そしてその最終目標としてペッパーへのワトソン搭載で提携してるIBMなどを巻き込んでのIP拡充などのヴィジョンを提示したことでARM側の取締役会も承諾といった感じかなと想像してます。
かるろす
2016/07/19 21:01

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