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zoom RSS スーパーコンピューター「京」は割に合わないのか?

<<   作成日時 : 2015/11/13 18:37   >>

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更新:2015年11月13日21:30(参考記事追加-theregister.co.ukのIBM Sequoiaに関する記事)

世間では、PCやHigh Performance Computingを知らない人が、京の成果があるのだから、京は必要と言うが・・・。本当にそうなのだろうか?ここでは、現実の評価として「京」がどれほどの費用対効果を出しているかを考えたい。尚、費用対効果はHPCでも必要である。それが入らないというのは、よほど予算を考えた事もないような裕福な研究者だろう。自分が今いる場所が幸せな場所であると思って欲しい。

<問題の発端>

理化学研究所(RIKEN)が導入した富士通製のスカラ型スーパーコンピュータ「京」は、現在、理化学研究所 計算科学研究機構として運営されている。その京が、原発の交付金と一緒に「予算的にどうよ!」「説明が足りないよ」と言われている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS12H38_S5A111C1PP8000/

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151112-OYT1T50123.html

 

これは、行政事業レビューと呼ばれる民主党時代の「二位じゃ駄目なんですか・・・」で有名となった事業仕分けに相当するもであり、内閣官房の配下で行われる。政府直轄点検事業である。即ちここで問題視されると言うことは、政府が問題視していることと同義となる。そして、ここで問題視される理由は、京の設備投資に対して、ペイしない可能性があるか、一般的な市場の考えに比べて高いからだ。それは、地球シミュレーター(600億)のおよそ倍も投資していることもあるが、何か説明として不十分な予算執行があるのだろう(後述するが、今も地球シミュレーターは小型化して稼働しているが、これは昔とは比べものにならないほど変わった)。以下PDFは「京の整備資料/2013」(文科省)、そして行政事業レビューのサイトでる。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/031/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/01/24/1330285_01.pdf

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gyoukaku/H27_review/H27_Open_Process002/H27_Open_Process002.html

 

<費用対効果とは何か?説明するとは?>

では、京の成果は少ないのだろうか・・・多くの人は、評価を書いてある内容で判断する。そして、その内容が多ければ、多いと思うのだ。しかし、費用対効果という点で見ると、実は京は馬鹿にしているのかと言うぐらいに、電気と場所を最初から食う製品だった。

だから、ベンチマークテストのために作られているコンピュータと比べるのでなければ、成果が小さすぎると言われてもおかしくない。即ち、最初から市場関係者が審査すれば、不利なのだ。

なぜなら、1100億超の投資はスパコンとしては、激烈に高い。オリンピックのスタジアム問題が今年話題になったが、事業仕分け当時でもこれは一部で話題になった。しかし、必要だという産業界と研究者の逆風で国民も納得してしまった。

プロセッサはSPARCライセンス(SPARC International, Inc.)を利用したカスタマイズ品で、電力性能は昔のアメ車並・・・演算効率(最大処理時にプロセッサが暇になる時間が少ないこと)は世界でも最高水準だが・・・Green500による電力効率と、ユニットコストは、IBMが開発しているHPCの方が遙かに小さい設備と機材コストで、近い性能を発揮する。要は、エンゲル係数が高く、デブなのだ(太った人というより、海外で時々起き上がれない人がいるが¥が掛かる)。そして熱い。

http://www.aics.riken.jp/jp/science/

http://www.green500.org/lists/green201506&green500from=1&green500to=100

 

これが、今回の行政事業レビューに引っ掛かる理由の一つにはあるかもしれない。しかし、行革相は「数ある事業の中で最も説明がなされてこなかった」としていることから、他にも電気代などを除いて保守費用に使途不明なものがあるのかもしれない。そもそも、電気代だけで年間2桁億円掛かるわけで・・・。当時同等の性能があったIBMのスパコン(IBM Sequoia比)と比べて、2倍は軽く超えるのである。電力効率だけで2.5倍掛かるのだ。(下記URL)それに加えて、もしも使途不明な金があれば・・・本来は国民の方が調べろというべきだろう。

http://www.theregister.co.uk/2012/06/18/top_500_supercomputers_june_2012/

 

まあ、これが理研の施設なのも問題なのかもしれない。「STAP細胞」で問題になったが、本当に研究として成り立っているかを、国が精査し始めており、警戒しているのは確かだ。それから、もう一つ京には比べて欲しくない先代がいる。

<目的が明確で多くのNo1を出し優秀な「地球シミュレーター」と世界No1だけを目指した「京」>

尚、継続的に更新されているベクトル演算を使う地球シミュレーター(JAMSTEC)は今年で数度目(WRFV3)のリプレースを行いプロセッサがSX-ACEに更新された。現在は前回と性能は同じで設置スペースを減らすことに成功し、消費電力を大きく抑えている。結果的に年間四十数億という維持費も高く、最初の設備投資600億と同等の投資でリプレースはできないため、今はリース品になっており、今回のリプレースでは性能は据え置いたことで、設置しているサーバールームは広い空間になり、冷却コストも下がっている。そして、ノード稼働率は平均85%前後と安定している。即ち、目的と対費用効果に合わせて地球シミュレーターは進化しているのだ。ちなみに稼働効率は今でも世界トップレベルである。そして、今となっては性能は他に劣るが、稼働率は8割を超えるため、とても勤勉で特に環境、気象などに関しては長い時間で多くの結果(成果)を残し続ける。尚、一部のNo1特に、長年LINPACKでNo1をとり続けたのは、予想以上の成果だった。要は、あまり欲のない子が(といっても、計画者は目指して達成している)結果的に記録に残ったようなものだ。

http://www.jamstec.go.jp/es/jp/

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150526_703697.html

 

対して、京は性能が重視された面があるのは間違いない。きっと研究は後からついてくると思ったのだろう。実際、後から研究はやってきて新しい研究にも使われるが、それが投資に見合った成果かと問われたときに、今年最初の稼働率が低めだったこともあり、厳しく見られるのかも知れない。

すると、結果的に当初から言われていた問題にも回帰する。

<もっと活用し、もっと透明性を持たせる>

正直、今更止めろという話ではないだろう。要は、説明が不十分なものが予算資料にあったのだ。それは、執行された費用に対して、説明が十分に付いていなかった。ここをしっかり開示し、今の成果に満足せずもっともっと、多くの研究で使うように売り込みなさいと言っているのだ。

http://www.aics.riken.jp/jp/k/machine-status/node/

 

<そして・・・また、繰り返す>

これは、面白い事だが「京」の次も既に考えられている。目的は、京や地球シミュレーターが行っていることも含んでいる。もう、高性能化する目的が形骸化し始めている点も見え隠れする。次は、京と地球シミュレーターの関係性でいけば、中止された国立の競技場(2500億)ぐらいになるかもしれない(今のところ1200億を予定しているようだが、これでも高い・・・)。きっとそこまで行けば、国民も問題だと気がつくと信じたい。なぜなら、どんなにシステムが高速になっても、研究する材料が減ってノードの使用率が下がり始めれば、本当に電気だけを食うお荷物にもなり得るのだから・・・。要は、高性能な高いPCを持っていても、メールとインターネットだけに使うなら、タブレットか安価なPCでも足りるということだ。本来なら、大学複数と民間のファンドなどが共同で作るぐらいで、政府が少し支援するぐらいの方が良いのだ。そうすれば、民間も大学もペイするために積極的に使うだろう。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/006/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/02/16/1355056_2.pdf

 

本来は、研究であっても費用対効果は必要である。そして、中国など一部の威信を賭けた国なら別だが、たいていの国は、ハードの性能より製薬や災害等必要な研究のためにシステムを導入するのだ。それが先に定義されると、地球シミュレーターのように良い評価が継続的に続くのである。もちろん、先にハードで成功することもあるが、一定期間内に優れた成果を残せなければ、そのうち批判圧力の方が増えていくだろう。

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